top of page
検索
  • 執筆者の写真加藤千奈

川村記念美術館

川村記念美術館が来年1月から休館を発表されました。投資家からの資産効率の要求を受け、美術運営の見直しとなったようで、来年には休館し東京に移転するのか?の状態だそうです。

とても素晴らしい美術館なので切ないニュースでした。この美術館を知ったのは、大学での学芸員授業を受けてる際にゲスト学芸員さんが川村記念美術館で働いている方で、美術に並々ならぬ熱意を持っていたことで「行ってみたいな!」と思ったからでした。

上野から京成線で佐倉駅へ、その後20分ほどバスに乗ると西洋の森のような入口に。しばらく森を歩き美術館の中へ。この美術館が素晴らしいのは所蔵されている作品の価値もありますが、作品に対して展示ルームをしっかり使っているところにあります。バーネット・ニューマンの「アンナの光」の部屋はとても贅沢に1枚の作品一部屋用意されてます。私がとても好きなのはロスコ・ルーム。マーク・ロスコの作品群を一部屋に展示した空間は、作品が呼吸するように膨張したり縮んだりしているように感じます。ロスコの作品が1枚美術館にあっても何も感じませんでしたが、専用のルームになるとその力を発揮しているようでした。


美術館の外の庭園も美しく、池では白鳥が泳ぎ、四季折々の花が咲き、芝生にはヘンリー・ムーアの大型彫刻が設置されています。

天気が良いと庭園でも楽しめるので、佐倉駅のコンビニでビールを買い、美術館で観覧した後芝生で飲むという楽しみ方を編み出してしまいました。


そんな思い出の地でしたが、以前から「この財源はどこから?」とは思っていましたが、昭和できたことは令和では難しいことがわかりました。損失を出しながらも運営して頂き、学生の私に作品への感動を教えてくれたことに感謝しかありません。


このニュースで日本の芸術の大きな損失を最小限にとどめれる方向が見出せることを願ってます。

閲覧数:5回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Comments


bottom of page